Dec 7, 2011

スイスの政治事情 1

つい先日、日本ギャップイヤー推進機構教会(JGAP)さんのWEBサイトに
僕のエッセーを提供した。

内容はスイスでの学習や生活に関して。

まだ留学期間折り返してもいないのだが

現時点で感じている様々なことを書き綴った。

リンクはこちらhttp://japangap.jp/essay/2011/11/post-1.html

そこで


国籍多様なの留学生仲間達と一緒に話しあったトピックの一つである、

スイスの政治事情について少し深く紹介したい。
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 左のポスターはスイス国民党(SVP)のものである。

これが何を意味するのか考えて欲しい。

白い羊が黒い羊をスイス国旗の上から追い出している。

ダイレクトに読み取るとこういうことだ・・・

「黒人はスイスから出て行け。」


海外メディアの報道などを踏まえると

スイスで起きた犯罪の多くは、アフリカ系や中東系移民によるものが多く、

そうした犯罪を減らすために、外国人政策の強化に焦点を当てているのがSVPだ。

まあ右派であることは明らか。

SVPがこの人種差別的なポスターを平然と街中に貼っていたというのには


本当に驚くばかりだ。。。



 2枚目のポスターは

ミナレット(イスラム教の建物)をミサイル風に見立て、
描かれている人物も含め、黒一色で色塗られている。

イスラム教=テロリズム的な偏見のように思える。


これはスイスでミナレットの建設を禁止するといった

SVPのキャンペーンの一環である。



近年スイス国内で、ムスリム人口が増えているということが一般的に背景とされている。


しかし、スイス人の友達によると、

「確かにスイス国内でムスリムは増加傾向にはあるが、

スイス総人口のうち、習慣的に礼拝に通うムスリムの人数の割合はとても低い。」



そして2009年、

国民投票によってこれが法律として可決された。

私はこのニュースをスイスに来てから知った。

信仰の自由が全く感じられず、ひどい国だと思ってしまった。

宗教に疎い日本人の僕でもそう感じたのだ。

隣に住んでるトルコ人(スイスで間違いなく最も中のよい友達の一人)によると

かなりショックが大きかったようだ。

ムスリムである彼にとって、少なくとも以下の2つの問題が考えられる。

①スイス人の中には、

「トルコ移民は程度が低く、犯罪を起こしているのはいつも彼らだ」

というバイアスを持っている人が比較的多いということ。

残念なことにそのバイアスは、

移民ではなく留学生である友達にも向けられる。


イスラム教に対して否定的な考えを国民が持っていること。

これはミナレットの国民投票で証明された。
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スイスに来る前に

黒いスイス (福原直樹)

を先輩から勧められたので読んだ。

この本を通してスイスのシビアな歴史をそれなりに学んだつもりだった。

(タイムリーなトピックはマネーロンダリングくらい。)

「一般的なスイスに対するイメージはキレイすぎる。」

本を読んだ後そう思った。

しかし、実際にスイスで生活してみて感じたこと、

「スイスはまだまだ黒い。」














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